2021年 03月 10日
京都御苑に咲くヤブツバキ
冬に咲く花といえば真っ先に山茶花を思い浮かべる。よく似た花にヤブツバキがある。ヤブツバキは椿と同じもののようだ。そして今更ながら、最近ようやく椿と山茶花の違いが分かるようになった。それはさておいて、京都御苑にはヤブツバキが群生している場所があることをこの冬に認識(総務省の幹部を真似ているわけではない)した。
京都御苑内には複数の神社があることをご存じだろうか(その内の一つは『今昔物語』にも出ていたような覚えがあるけれど、ひょっとして記憶違いかもしれない)。その内のひとつに白雲神社がある。梅林の東隣にひっそりと鎮座しているので見過ごしやすい。で、以前からそのあたりにはヤブツバキがあることを知っては(認識していた!)いたが、とくに気にしてはいなかった。冬場に花はそれほど見当たらないし、ヤブツバキでも(!)撮ってみようかと白雲神社の周りを一周してみた。驚いたことにあるわ、あるわ、ヤブツバキの大木(ヤブツバキはとても成長が遅い)がわんさとあったのである。こんなにたくさんヤブツバキを撮影したことは初めてである。
ところで、ヤブツバキの実を絞って採る椿油は、とても貴重で高価なことは知っている人は知っている(当たり前だけど)だろうけど、この油は人の肌と相性が良くてカサカサの肌やフケ性の頭皮には効果があるのです。風呂上がりに、洗髪した髪の毛に椿油を手に取って髪にすりこむと、しっとりつやつや黒々としてとても良いんです。混ぜ物のない椿油は天婦羅油としてもいいらしと聞くけど、高価なので使えません(野菜炒めには一度使ったけど、劇的に旨くなった感じはなかった)。
ヤブツバキは日本固有種らしく、北は青森県の浅虫温泉のあたりから、男鹿半島、南は萩、五島列島あたりでよく見られる。どこも海に面したところであることから、暖流、黒潮に流され南の地方から北上したのだろうか。
椿油は、かつては中国の皇帝に献上品(遣唐使か?)として用いられたとも聞く。産地としては伊豆大島や五島列島が知られている。わたしは椿油を五島列島の生産者から取り寄せていて、ハンドクリームやリップクリームなんぞも作っていて、ミントなどの精油を入れたりして楽しんでいる(市販品を買ったほうが安いけど)。