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春はあけぼの 夏は七夕?


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今年の七夕は残念ながら雨模様だった。そして十二日の朝、東山の空を眺めれば、
「夏(春)は曙。やうやう白くなりゆく、山ぎはすこし明りて、紫だちたる雲の細くたなびきたる」 の一節が頭に浮んだ。


織姫と彦星のように、年に一度の逢瀬は ちょっと少ないのでは? いやそれくらいがいいのさ、という声も聞こえてきそうだ。かくいう私も “糟糠の妻” と会うのは事情があって月に一度(なんとそれが十年になる。それが羨ましいという同輩や奥方もいる)。

長年月別れずにいるのは、たまに会うからかも知れない。人間長いこと一緒にいると喧嘩はするもの。たまには別れようか、なんて言葉を発したくなる。誰かさんに言わせると、ヒトは一生のうちに三、四人は配偶者を替えることが生態学上(?)当たり前なのだとか(種の保存のため?)。浮気することは生物学上正当なことだ、と言う輩が出てきそうだね。そういえば、不倫は文化とか言って干された俳優もいたっけ。

近代の西洋文学を学んでいると、不倫はごく普通に見られる。フランス文学ではそれが当たり前のことに思える。『カザノヴァ回想録』を読んでいるとヨーロッパの不倫事情が手に取るように学べる。アンナ・カレーニナのように、不倫のせいで悲劇的な結末になるなんて、ひょっとしたらトルストイの倫理観が影響しているのかもしれない。

瀬戸内寂聴さんが言っていたけど、不倫が無かったなら文学は成り立たないって! 自分のことを言ってるんだから説得力があるし。源氏物語を現代語訳してるわけだし、平安時代の貴族の性の奔放さを地で行っているだけのこと。


ある番組でベテラン歌手の加藤登紀子さんが、話題になった別れたカップルを見て こう言っていた。
「愛は遠くにありて思うものだから、問題が起こったら離れることが一番…話し合うのが一番良くないです、男と女は。問題が起こったら、そっと、お互い離れて。遠くにいると、なんとなくまた会いたくなったりするんで」

共演していた歌手の中尾ミエさんも、
「愛なんて一生続くもんじゃないのよ、誰でも。どんなに好きでもいつか飽きるんだから。加藤さんが言うように遠くに離れているからいいんで」

うーむ、人間を長くやっているお二方の意見は参考になるかも。織姫と彦星にも聞かせてやりたいわ(笑い)

by chikusai3 | 2021-07-12 13:48 | 夜明け | Trackback | Comments(0)

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